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元さんのとっておき
■第67回 『下町の範囲』
03年07月15日
前回、江戸の範囲の話をしましたが、今回は下町の範囲の話です。
やっぱりよく聞かれるんですよね。下町ってどこからどこからどこまでって。まあ、下町探偵団なんて名前を掲げている以上、今回の話はいつかはしなきゃいけない話題だとは思っていました。

下町って地名がある訳じゃありませんし、境界って難しいですよね。と言うか境界なんて存在しないですよね。
まあ時代と共にそう思われてる地域も変わっていますし、線引きするのは難しいですよね。
でもイメージとしてはなんとなくあるでしょ。あの辺りかなあってのが。
辞書なんか引いてみると、こう書いてあります。「都会の低地の町で、店や小工場などが多く集まっている区域」って。そして対義語としては「山の手」がありました。
まあ、あえて字で説明すれば大体そんな感じでしょうね。

東京っていうのは地形から言うと、西半分に武蔵野台地があって、東側には荒川の沖積でできた低地が広がっています。その境は高さ20mほどの崖によって大きく分かれています。
わかり易い分け方をすれば、台地が山の手、低地が下町ってことになります。

その台地の東の端にあるのが江戸城です。その東側、江戸城の下にあった地域が最初に下町と呼ばれていた場所です。下町って元々は城下町の意味なんですよ。
それは、神田川より南、隅田川より西、江戸城から東、江戸湾から北の細長く狭い一帯です。現在の神田、日本橋、銀座、新橋あたりになります。
銀座、新橋って今はあまり下町ってイメージはないですけどねえ。
その後、江戸の街の拡大と共に下町と呼ばれる地域も変わっていきます。

隅田川の東側にある本所、深川あたりなんて後になってできた街ですからねえ。浅草あたりから見たら新参者な訳ですよ。今でも「川向こう」なんて言って下に見られたりする事があります。
だけどそんな浅草も、元祖下町の神田あたりの年配の方からすると田舎者扱いされちゃうんです。
なんか下町にも格があるんでしょうかねえ。おもしろいですねえ。

下町、山の手ってこんな分け方もあります。
下町は町人と商人の町、山の手は武家屋敷のあった地域。イメージとして下町は貧しい地域、山の手は裕福な地域。確かに昔は貧しい人も多かったんでしょうねえ。
その「下町」という単語が持つ貧しいイメージを一新するために、「川の手」という単語を作った人がいます。「山の手」に対する意味で「川の手」ですね。
たぶん「川の手」って隅田川周辺の地域のことで下町に取って代わる単語ではないんでしょうけど。
まあでも「下町」って泥臭いイメージもあるけど、情緒のある単語だと思うんですけどねえ。
最も最近では「下町」という単語も一人歩きしてブランドっぽくなってるような気はしますけど。

堅苦しい言い方をすれば、下町ってこんな地域のことです。でもやっぱり地名で分けちゃダメなんでしょうね。私は要は「人」だと思ってます。
下町っ子って言いますが、下町っ子のいる土地が下町じゃないでしょうか。
粋で洒落てて義理と人情にあつくて、そんな気質を持った人がいる地域のことを下町って言うんじゃないでしょうか。

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