■第58回 『商店街とチェーン店』 |
03年03月04日 |
- 前々回、八郎右衛門号の事を書いてから、いろいろと商店街について思うところがありました。今回はそんな下町の商店街とそこへ入ってくる大型チェーン店との共存についての話です。
- 商店街の人々が町興しに一生懸命になってるのを見ると思うんですねえ。チェーン店(例えば、食べ物屋さん、薬屋さん、コンビになんかのチェーン店ってありますよね)って何か地域のためになるような手助けとかしてくれてるのかなあって。
- 以前、「下町の顔」で登場して頂いた錦糸町の商店街の青年部長も同じような事を言ってたんですよ。それ以来どうも引っかかるんですよねえ。
- 商店街の人達が町おこしなんかをがんばってるのって、まあ彼らにとって死活問題だから仕方がないと言えば確かにそれまでです。でもそうやって苦労して人を呼べるようになるぐらい成功した土地に、チェーン店って後から何のいきさつも解らないままただやって来るだけですよね。
- まあ、人が集まりそうもない場所に店なんか出しませんからね。
- しかも、やって来ても周りの人達と協調性ってないんですよねえ。その土地にいるだけで、商店街にも加盟しないし町会にもはいらないから協調性なんて生まれるはずありません。
- なにかみんなでやるにしても、その度に本部に指示を仰がないと動かなかったりとなかなか融通も利きません。そして最後は、町がさびれて売り上げが上らなくなったら店舗閉めてどっかへ行っちゃいますよね。
- でも、商店街の人達ってそういう訳にはいかないじゃないですか。その土地に住んでる人も多いですからね。土地への愛着もありますしねえ。
- 商店の地域社会への貢献度って随分あると思うんですよねえ。例えばこんなことってあると思うんですよねえ。
- 高齢化社会が進んで来ると、マンションに住むお年寄りは買い物に出掛けるのが不便になってきます。若い人は車でもなんでも手段はあると思うのですが、お年寄りはそういう訳にいきません。そういう人にとってそこしか買うところがないってお店がなくなるって大変なことですよね。でもチェーン店ってそんなの関係ありませんよねえ。採算が合わなくなれば、即、撤退ですよね。でも近所にいませんか。店を閉めたいんだけど来てくれるお客さんがいるからって廃業できないんだよっていう商店のおやじさん。そんな損得も顧みないような町の親父が地域社会を支えてるんじゃないかと思うんですよねえ。
- 今まで書いてきた話は別に下町に限ったことじゃありません。でも山の手に比べると下町って、地元の商店街が生活の基盤になってる地域ってけっこうあると思うんです。そしてそれらの商店が人情味あふれる地域社会を築く為の手助けを少なからずして来てると思うんですけどねえ。(そのあたりは第32回『亀戸商店街』で少し書きました。よかったら読んでみてください。)
- チェーン店って確かに便利です。品揃えは豊富だし、全国どこへ行っても同じものを売ってるから安心感もあります。でも逆にどこでも同じだから店自体の特色も薄れちゃいますよね。チェーン店ばっかり並んだ商店街ってのがもしあったとしたら風情なんてないんだろうなあ。
- そう考えると、Sエリアでも、おかず横丁、砂町銀座、亀戸近辺の商店街なんかは見るからに下町の商店街って感じしませんか。
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